活動報告

2017年9月 宮田常雄さん見学報告(群馬県)

(掲載日:2017年12月)

9月22日、曇りの午後。しらはに米やお野菜の生産者、群馬県の宮田さんを訪ねました。大変古くからの農家で、宮田さんは12代目になります。母屋の後ろには屋敷森があり、その森の主、「鏑木のあらかし」と呼ばれている桐生市の指定天然記念物の樹齢400年のかしの大木がそびえています。母屋を中心に畑や田んぼがありますが、その他にも田畑をお持ちで、作付面積は2町(2ヘクタール、東京ドームの半分弱くらいの広さ)あまり。ほぼ、おひとりで作業されています。今回は母屋まわりの田畑を見学させていただきました。ご自宅前の田んぼは稲刈り前で、黄金色。用水路は水量も豊富で、赤城山のふもとにある早川ダムから水を引いています。栽培しているのはもち米とこしひかり。こしひかりは1週間前からの雨風で稲は倒れていました。「あと1割くらい追熟が必要なんだよね」と宮田さん。「これ、ちゃんと刈れるんですか?」の問いに、「倒れても折れているわけではなくて、わん曲しているだけで追熟しているから。コンバインを低く調整すれば刈り取れるよ。倒れないようじゃだめだよ、収量が少ないってことだから」との事で一安心。通常、こしひかりは1本に120~130粒つくそうですが、宮田さんのこしひかりは150粒ほどもつくそうです。2018年からはこちらのこしひかりを分けていただく予定です。お楽しみに!

畑の野菜は年間30~40種類‼

伺った頃の畑は、白菜、ブロッコリー、人参、小松菜、里芋、玉ねぎ、空芯菜、ピーマンなどが栽培中でした。同じ畑で同じ科の野菜を作り続けると病気や害虫がつく連作障害が発生しやすいので、そうならないように作る場所を変え、種類を変えて栽培していらっしゃいます。白菜とブロッコリーはアブラムシやしんくい虫を防ぐため、半円状の枠を並べて、不織布や寒冷紗を張ったトンネルの中で栽培。ときどき布をはいで、手作業で虫取り、土寄せをするそうです。大変です。除草作業は機械の導入で格段に楽になったそうですが、すべてが機械でできるわけではなく、種まき前に、黒いシートを一面に敷いて光を遮断して、熱で虫や雑草の種も駆除します。もちろん除草と虫取りは手作業でも行います。

多種多品目をつくる理由をたずねると、「山にはいろんな木や植物が植わっているでしょう。高い木、低い木、日向が好き、日陰が好き、自然ってバラエティに富んだものでしょう。いろいろあるのが自然でしょう?」。ムムッ、深い。 「玉ねぎは数年前の玉ねぎに比べるとはるかにレベルが上がったわよ」と奥様のたき子さん。宮田さん自身も「田んぼのバラつきがなくなったし、畑の土が良いところ、悪いところのバラつきがなくなった」とおっしゃっています。長年の努力と工夫が実って、畑も田んぼもムラなく成熟してきたのですね。

宮田さんの土作り 

無農薬・無化学肥料栽培の宮田さん。土の中の微生物が増え、栄養分を作物の根が吸収しやすいように工夫を怠りません。土の中には病原菌などもいます。でも多種多様な微生物がきちんと育つ環境にすると、微生物は有機物を植物が吸収しやすい栄養分に変えたり、根から排出される有害物質を無害化したり、根の呼吸や栄養の代謝をサポートする働きをして、病原菌を自然に作物の根近くから遠ざけます。宮田さんは有用な微生物をよく働けるように、米のとぎ汁や糖蜜などを発酵させた液で培養し(写真下左)、畑や田んぼに散布します。雨が降って少し土が湿っている時が液が浸透して効果が出るそうです。また、わらや竹、もみ殻も土の状態をみて必要量すき込みます。点在する資材置き場の横には、こんもりと山になった堆肥(屋敷森の落ち葉など)と有機肥料、米ぬかや油かす、もみ殻を混ぜて発酵したぼかしのタンクがあり、必要に応じて使っています。そうしてできた土は有機物が微生物の働きでネバネバをだすことで細かい土粒同士が結びついて団粒化して、墨のようないい香りがしました。土粒が細かすぎると雨が降った時、水はけが悪く土の中の空気の入りが少なくなるので細かすぎてもよくないそうです。

里芋の茎が背丈の高さに‼              

人参も元気な葉っぱが茂っていました

里芋は除草のため土にマルチというビニールカバーをはって栽培しますが、今年は忙しくてマルチをはらないまま栽培を試みたそうです。雨が降る中、有用菌の培養液を3回程まき、弟さんに草取りを手伝ってもらったりと大変でしたがとても質のよい里芋ができたとのこと。11月の里芋おいしかったですね。この里芋12月と1月にお届けします。

人参は2品種栽培していらっしゃいます。1週間おきに種まきをされたそうですが、順調にすくすく成長しています。1、2本、間引きしてくださいましたが、人参の匂の強いこと!こちらの人参は12月と1月にお届けしますのでお楽しみに!